AI時代に必要な教育
少し前になりますが、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と中国アリババグループの創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が、東京大学で開かれたシンポジウムで対談したニュースが大きく報道されていました。
今回、孫氏が馬氏との対談の中で、お2人とも今後AI時代が到来すると発言し、「AI時代に必要な教育」について議論しています。
馬氏「AI時代はコンピューターが答えをより早く正確に導き出す。AIの普及で仕事の半分がなくなる中、子どもたちに教える中身を変えないといけない。 今後は、創造性やクリエイティブを育てる教育をしないと、変わり始める未来を受け入れられなくなる」
孫氏「ディベート(討論会)など他人とコミュニケーションする教育をしないとだめだ。 日本は教師の言ったことをノートに書いて公式や歴史の年号を暗記するだけ。 今は米グーグルの検索サービスで調べれば答えがすぐ出てくる。 ディベートして他人とコミュニケーションとって一緒にモノを作る能力が、これからもっともっと必要になる」
両者の主張は人間にしかできないこと、「創造性・ディベート・コミュニケーション能力を高める教育に変えないといけない」と一致していました。 そして、「AIや機械が人間のように働くようになり、20年、30年後は人間は週3日、一日に2,3時間働ければ済むようになる」とも予測しています。
以前のこちらの記事でも著書が少しだけ紹介されていますが、AI(人工知能)で東大入試突破を目指す研究をした新井紀子氏は、 著作「AI VS 教科書が読めない子どもたち【2019年ビジネス書大賞 大賞】」で『人間がAIに勝つためには「読解力」を磨くしかない』と主張しています。
2018年秋に放映されたNHKスペシャル「マネー・ワールド〜資本主義の未来〜」を拝見したのですが、孫氏とAIの限界を指摘する新井氏とが真っ向から議論したことが印象に残っています。
人工AIの台頭で職を奪われた人々を、ロボット税・法人税の予算からベーシックインカムで救済することが可能かという件で、 法人税では支えきれないと考えた孫氏が絶句する場面がありました。
規模が壮大過ぎて、理解が到底困難な話ではありますが、20年前、孫氏が馬氏に2000万ドル(約20億円)を投資した結果、 中国アリババグループは驚異的な発展を遂げ、アリババ株の価値が実に4000倍、なんと8兆円の利益を上げました。
まさに世紀の投資王である孫氏の未来予測は、本当に実現してしまうのではないかと感じます。 そしてその孫氏をディペードで凌駕した新井氏の予測も、侮れません。
下記にも孫氏と馬氏、両者の対談の全文訳が紹介されたサイトを記載しましたので、興味のある方は是非、ご一読ください。
数十年後、もしかして、「読解力」と「ディベート」がの習い事のトレンドになっているかもしれません。
来たるべきAI時代に適応するため、皆さん、アットホームな本校で一緒にトレーニングを頑張りましょう!
【引用元・参考】
○ニューススイッチ「孫さん×馬さん。2人の20年と人類の未来を語り尽くす伝説の1時間」 https://newswitch.jp/p/20306
○「【孫正義×ジャックマー特別対談】全文訳してみた@Tokyo Forum 2019」 https://note.com/inochu/n/n62c9245fff07