変わる高校入試!長期的な対策を!
センター長です。
もう数か月前になってしまいましたが、北海道の公立高校入試が2022年の3月から変わるという記事が北海道新聞に載っていました。
1教科60点満点が100点満点になることや、試験時間を延長することなどと合わせて発表されたのが、2022年から「裁量問題」が廃止され、一本化するということでした。
今までは「標準問題」だけの入試問題を課す学校と「裁量問題」を採用する学校とがありましたが、その問題の区別を撤廃し、「基礎的内容を問う問題」と、「論理的思考力」「判断力」「表現力」を問う高難度の問題とが、どの公立高校でも共通に出題されるということになります。
「論理的思考力」「判断力」「表現力」の習得を促そうというのが、ここ数年の教育改革の傾向ですので、裁量問題を出題してきたいわゆる進学上位校だけでなく、すべての公立高校進学希望者に意識を向けてもらいたいということでしょう。
さて、その「論理的思考力」「判断力」「表現力」、すなわち「論理的に考える力」およびその思考の論理性を理解したり、表現したりするため必要な「言語を的確に運用する力」についてですが、なかなか苦労しているお子さんが目立ちます。また、その背景にある「語彙力」や「表現力」の不足を指摘する声もよく耳にします。
ですが、それらの力は一朝一夕で身につくものではありません。問題の内容に知識があるのは大前提ですが、その知識をうまく活かし、更にアウトプットする活動を、小~中学校の頃から日常的に取り組んでいかないといけない…。
しかも学校の国語の通常授業だけでは十分とは言えず、ご家庭で意識して身近なものにしないとなかなか身に付けていくのは難しい。つまり、周りにいる大人も「論理的思考力」「言語運用能力」を身につけておかなければならないのです。
残念ながら「論理的思考力」や「言語運用能力」などを学校で意識して訓練してきていない私たち大人は、自分が言語を的確に使えているとはなかなか言えません。当然、親が出来ないものを家庭で子どもが出来るようになるというのは、そう簡単なことではありません。
では、どうするか?
なかなか大変だとは思いますが、やはり王道は「読書」だと思います。時間がない、余裕がないと逃げてしまいがちですが、学校に通わない私たち大人は、読書で「論理的思考力」や「言語運用能力」を引き上げましょう。飛ばし読み・ななめ読みとかではなく、時間をかけてでも「熟読」して「通読」するようにすることをおすすめします。
「あれ?速読教室なのに『速読』を勧めないの?」と思われるかもしれませんが(笑)、「論理的思考力」や「言語運用能力」なくやみくもに速く読むのはナンセンス(そもそも「飛ばし読み・ななめ読み」は、当教室で言う「速読」ではありません!)。熟読・通読をしながらの速読訓練はご自身の訓練としては有効ですが、子どもたちとの言語活動の視点で言うと、大人がまずすべきは熟読・通読です。
まずは時間をかけて「論理的思考力」や「言語運用能力」を伸ばす読書を大人が始めましょう!そして、子どもたちとの言葉のキャッチボールを客観的に見つめなおしてみてください。即効薬ではありませんが、長い目で見てとても重要なことだと私は思っています。
当教室の子ども向け総合速読講座は、「論理的思考力」と「言語運用能力」を鍛えながら、速読を身につけていく講座になっています。通常の学習塾は、学校の教科学習(主要5教科、主要3教科、もしくは国語を外した英数の2教科など)を教えるのが主流だと思いますが、そうではなくその土台となる部分。どうしてそうなるのかを考える力(論理的思考力)、そして、そうなった過程を理解・説明する力(言語運用能力)。これらを引き上げる課題を、速く読解するためのトレーニングと合わせて行い、将来の仕事力の養成につなげます。