会話ベタから脱却するには
こんにちは、インストラクターのゆうこです。
みなさんは”会話がかみ合わない”、
“話しをしていても何か相手とぎくしゃくしてしまう”
…なんてことはありませんか?
人とコミュニケーションをとる時、皆さん普通は言葉を使いますが、
そのためには、言語に埋め込まれた「論理性」を
理解する力が必要となります。
それは会話と文章読解のどちらにも共通する土台であって、
その力が不足していると、会話では「会話ベタ」の、
文章では「文章読解が苦手」な一因となります。
言い換えると、読解力が低いことと会話ベタなのとは、
その土台で共通していることが多々あるということです。
ところで、読解力が年々低下してきていると
言われているのを聞いたことはありませんか?
過去に中高生の読解力の低下が深刻である、
とニュースになったことがあります。
以下の二つの文の内容が同じかどうかを
答えるテストをしました。
A:「幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた」
B:「1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた」
答えは「異なる」ですが、この文を「同じ」と答えた方が
中学生では4割、高校生では3割程度いたそうです。
これは、読解力の土台となっている「論理性を理解する力」が
育っていないからです。
「論理性を理解する力」が伴っていない時、
会話がどうなるかの例を紹介しますと、
「三毛猫は可愛いなぁ」
と言った人に対して、
「犬が可愛くないなんてひどい!」
「白猫を飼っている人を馬鹿にしているのですか?」
などどいったコメントがつくことがあります。
Aさん視点では「そんなことは言ってない!」となるべきですが、
Bさんの頭の中で「猫が可愛い」=「犬は可愛くない」に、
Cさんの頭の中では「三毛猫が可愛い」=「三毛猫以外は可愛くない」といった風に、
独自の解釈で受け取ってしまっています。
むろん、本当の会話というより、ネット上のSNSでの会話です。
でも、面と向かうと口に出せずにモヤモヤするようなことが
ネット上だと躊躇なく出てきたりしますので、
その人が論理性を兼ね備えているかがとてもわかりやすいわけです。
さて、論理性を理解する力が鍛えられていない人たちは
どのように読解をしているのかというと、
「単語だけを抜き取って読む」ことが
特徴の1つとして挙げられています。
文章中の単語同士のつながりはあまり意識せずに
勝手に単語を繋げた独自の解釈にしてしまう…
単語同士だけでなく、文と文、段落と段落のつながりや展開を
読み取れない人、読み取ろうとしない人が多くなっているのでしょう。
「読解力」や「論理性」がなかなか身につきにくい
社会的環境であるのも否めません。
私たちが受けている国語の授業というのは
漢字や語彙の習得中心に始まり、文学や古典・漢文の鑑賞に
重きをおいています。
論理的な主張の理解力や表現力を育むことは
義務教育の国語教育の中ではさほど重視されてきませんでした。
また、社会に出ても、
昨今は業務を「速くこなす」ことが評価される傾向にあり、
文章を読む上でも、単語の拾い読み、
いわゆる「ななめ読み」や「飛ばし読み」を
推奨するような雰囲気ができあがっているように思います。
多くの人が速読に興味を持つきっかけでもあるので、
我々速読教室からすると喜ぶべき部分でもありますが、
札幌速読教育センターは、速さだけを求める教室ではなく、
正確さあってこそのスピードであるという観点から
「速読力」と「読解力」を組み合わせた講座内容としています。
話しを戻すと、文章と会話のいずれも、
根底にある論理性を理解・表現する力を鍛えることで
質をあげることができます。
「理解・表現」と書いたのは、文章だったら読み書き両方、
会話だったら話す聴く両方で効果が出てきます。
さて、みなさんの「論理性を理解する力」は如何ほどでしょうか?
とても間違えやすいとされている問題があります。
実際に以下の文章に答えてみましょう。
アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。
■この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
セルロースは( )と形が違う。
(1)デンプン (2)アミラーゼ (3)グルコース (4)酵素
答えは「デンプン」ですが、大人でも「グルコース」と答えた方は多いようです。
みなさんはいかがでしたか?
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◎出展:「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」 新井紀子著 東洋経済新報社